026:一気にブレイク

大谷仙依はまだ十七歳だが、すでに重点大学に合格し、青葉市のイメージキャラクターも務めている。

才能と品格を兼ね備えている。

誰もが理想とする子供で、白川露依にとっても理想の嫁だった。

しかし息子にはすでに彼女がいた。

山下言野は彼女の実の息子ではないが、実の子と変わらない存在で、幼い頃から思いやりのある子供だった。

白川露依は山下おばあさんと同様に、彼が早く大谷仙依のような良い女の子を見つけることを願っていた。

白川露依が大谷仙依を褒めるのを聞いて、山下おばあさんは眉をひそめ、疑わしげに言った。「あの老いぼれが、どうして良い孫を育てられるというの?!」

彼女は大谷おばあさんのことをよく知っていた。

一生ろくなことをしたことがなく、虚栄心が強く、頑固で古い考えの持ち主だった。