大谷仙依はまだ十七歳だが、すでに重点大学に合格し、青葉市のイメージキャラクターも務めている。
才能と品格を兼ね備えている。
誰もが理想とする子供で、白川露依にとっても理想の嫁だった。
しかし息子にはすでに彼女がいた。
山下言野は彼女の実の息子ではないが、実の子と変わらない存在で、幼い頃から思いやりのある子供だった。
白川露依は山下おばあさんと同様に、彼が早く大谷仙依のような良い女の子を見つけることを願っていた。
白川露依が大谷仙依を褒めるのを聞いて、山下おばあさんは眉をひそめ、疑わしげに言った。「あの老いぼれが、どうして良い孫を育てられるというの?!」
彼女は大谷おばあさんのことをよく知っていた。
一生ろくなことをしたことがなく、虚栄心が強く、頑固で古い考えの持ち主だった。
上が曲がれば下も曲がる。
このことから、大谷仙依もきっとろくな人間ではないはずだ。
「お母さん」白川露依は笑いながら山下おばあさんの腕を取り、「大谷お嬢さんに対する偏見が強すぎますよ。どう説明すればいいでしょうか?彼女は本当にお母さんが想像しているような人ではありません。優秀で、自立していて、とても特別な女の子なんです!」
「ふん」山下おばあさんは相変わらず軽蔑した表情で、ポケットから辛い菓子を取り出し、食べながら言った。「それでも私は好きになれないわ」
「大谷さんに会えば、私の言っていることが分かりますよ」義理の母のスナック菓子を見て、白川露依は続けた。「お母さん!健康の専門家が、この年齢では油っこいものや辛いものは控えめにするべきだと言っていましたよ!」
山下おばあさんは彼女を一瞥し、「私はニュースで見たけど、健康的な食事を提唱していた専門家が52歳で亡くなったわ。私は今年92歳よ」
そう言うと、山下おばあさんはメイドにコーラを持ってこさせ、一気に半分飲み干した。
「お母さん、コーラは糖分が高すぎます。控えめにしてください」
「私は今年92歳よ」
白川露依は「......」と言葉を失った。
そのとき、山下莉理がフルーツの盛り合わせを持って階段を降りてきた。「おばあちゃん、お母さん!また山下詐欺師に見合い相手を紹介しようとしているの?」