042:人を殺し心を滅ぼす

その言葉を聞いて、大川素濃はさらに混乱した。

知っている?

何を知っているの?

大川素濃は続けて言った。「田中姉さん、一体何の話なの?はっきり言ってよ!もう謎かけはやめて。」

田中麗子は手にしていたものを置いて、南通りの件について話し始めた。

それを聞いて。

大川素濃は目を見開き、驚きのあまり言葉を失いそうだった。

「まさか!」大川素濃は喉を鳴らし、言葉も詰まりがちに「こ、これ...本当なの?」

「もちろん本当よ!ニュースを見てないの?」

今やこの件は各大手プラットフォームで話題になっている。

大川素濃は深く息を吸い、田中麗子を見つめて続けた。「田中姉さん、ちょっと待って。今すぐ綾乃と姉を呼んでくるわ。」

彼女は興奮していた。

心臓の鼓動が速くなる。

もし田中麗子の言うことが本当なら、彼女はどれだけ儲かったことになる?

八十万が八百万に?

観音様!

こんなにたくさんのお金を見たことがない。

大川素濃は一気に二階まで走って上がった。「綾乃!」

「おばさん。」小林綾乃はスキンケア製品を包装箱に分けて入れているところだった。

二階は全部で二百平方メートル以上あり、今のところ十分な広さだった。ただ、小林桂代は一階の手伝いと二階の機械の監視を両方しなければならず、少し手が回らないため、助手を二人雇う必要があった。

大川素濃は続けて言った。「綾乃、お母さんと一緒に早く一階に来て。」

それを聞いて、小林桂代は不思議そうに「素濃、何かあったの?」と尋ねた。

現在、店の在庫はほとんど売り切れており、忙しすぎることはないはずだった。

大川素濃は田中麗子の件について話した。

それを聞いて、小林桂代の反応は大川素濃とまったく同じで、目を丸くして、まるで幻聴を聞いたかのようだった。

小林綾乃を見ると。

十七、八歳の少女とは思えないほど落ち着いていた。

まるで不動産価格の上昇が自分とは何の関係もないかのように。

みんなで一階に降りた。

田中麗子は小林綾乃の手を取り、何度も感謝の言葉を述べた。「綾乃、あなたは私たちみんなの福の神よ!あなたがいなかったら、うちが突然大家さんと三年契約を更新することなんてなかったわ!」

福の神どころか。

小林綾乃を彼らの家の幸運の星と呼んでも過言ではなかった。