大川素濃から送られてきた音声メッセージを聞いて、小林桂美はさらに怒り、カウンターの上の電卓を投げつけた。
バン!
電卓は粉々に砕け散った。
スーパーに買い物に来ようとした客も驚いて足を引っ込め、立ち去ってしまった。
青葉市の地元民として、スーパーも経営していたことから、小林桂美はこの数年で200万元ほどの貯金を持っていた。
200万元は一見多く見えるが、青葉市の中心部のマンションの一室さえ買えない額だった。
しかし200万元あれば南通りの店舗を何軒も買えたはずだ!
もしあの時200万元全額で店舗を買っていれば、今頃は億万長者になっていただろう。
この数年間、小林桂美の最大の夢は市の中心部の高級住宅地で家を買うことだった。本来なら簡単に実現できたはずの夢だった。
しかし今はその夢も砕け散ってしまった!