「別に」と一橋啓子は笑って言った。「道を聞いただけよ」
秋山春樹は一橋啓子を見て、「じゃあ、なぜそんなに彼女に興味があるの?」
もし単に道を聞いただけなら。
一橋啓子はそんな反応をするはずがない。
「だって、彼女きれいだもん!」一橋啓子は大らかな性格で、秋山春樹の肩に手を置いて、「親友よ、どうしてこんな美人を知ってるのに私に紹介してくれなかったの!」
以前は秋山春樹は一橋啓子が自分に密かな恋心を抱いているのではないかと疑っていた。
今は...
ほぼ確実になった。
一橋啓子も自分に密かな恋心を抱いているからこそ、こんなに落ち着いた態度を見せているのだ。
でも彼女は小林綾乃にとても興味を持っている。
やはり小林綾乃は一橋啓子より綺麗だから。
この二人の長所を少し組み合わせられたらいいのに。