最後の一言は人の心を殺すようなものだった。
中村はすぐに言葉を継いだ。「桂美の言う通りよ。あなたの娘の綾乃はあんなに可愛いんだから、いい高校に入れなくても大丈夫よ。将来、お金持ちの息子と結婚すれば、家で幸せに暮らせるわ!」
お金持ちの息子だって馬鹿じゃない。
金持ちなら誰だって城井沙織のような才色兼備の子を探すでしょう。
小林綾乃は高校にも入れないのに、誰が欲しがるの?
大川素濃は言った。「うちの綾乃は自分で成功した金持ちよ。お金持ちの息子なんか要らないわ!」
小林綾乃はスキンケア製品のビジネスをこんなに成功させたのだから。
彼女を成功者と呼ぶのは決して大げさではない。
中村は思わず笑い出し、相槌を打った。「そうそう、素濃さんの綾乃ちゃんは自分で成功した金持ちよね。」