055:圧倒的な打撃、5つの第1位!_2

「小林綾乃」小林綾乃は淡々と口を開き、たった二文字だけ。

簡潔明瞭。

たった二文字?

それを聞いて、古川嬌は眉を少し上げた。

この小林綾乃は自分の名前すら紹介できないのかしら。

やっぱり見た目だけの器なのね。

外見は立派だけど中身は空っぽ。

城井沙織と比べたら、まさに天と地の差ね。

古川嬌の心の中を読み取ったかのように、城井沙織は意図的に言った:「嬌子、私のいとこを侮らないでね。彼女はすごい優等生で、実家での試験では毎回学年一位なの。今回の編入試験できっと皆を驚かせるわよ」

優等生?

実家での学年一位?

古川嬌は続けて尋ねた:「あなたのいとこの実家はどこなの?」

「花川臨町よ」城井沙織が答えた。

花川?

臨海町!

田舎から来たのね。

小林綾乃のこの様子。

知らない人が見たら、お嬢様だと思うでしょうね!

古川嬌の目に浮かぶ嘲笑の色が溢れんばかりだった。

しばらくして、彼女は小林綾乃を見上げ、作り笑いを浮かべながら「そう、沙織のいとこがそんなに凄いなんて。実家で学年一位なんて!私の目が節穴だったわね」

小林綾乃は少し目を伏せ、そのまま古川嬌の目を見つめ返した。「気にしないで、誰かさんは人を見下すような目をしているんだもの」

人を見下すような目?

何が人を見下すって?

犬の分際で人を見下す!

この言葉の意味に気付いた古川嬌は怒りで顔が真っ白になり、目を細めて「どういう意味?」

小林綾乃なんて何様?

田舎から来たガラクタじゃない。

よくも彼女を侮辱できたものね。

小林綾乃は淡々と微笑んで「字面通りの意味よ」

言い終わると、小林綾乃は城井沙織の方を向いて「私は先に試験会場に行くわ。あなたたちはゆっくり話して」

彼女の後ろ姿を見て、古川嬌は歯ぎしりしそうなほど腹を立てた。「沙織、あなたの家にどうしてこんな場違いな親戚がいるの?」

城井沙織は古川嬌の腕に手を回し、優しい口調で「嬌子、実は私のいとこはとても良い人なの。ただ時々言葉遣いが下手なだけ。悪意はないから、怒らないでね。もし怒るなら、私に怒ってください」

城井沙織は他人の前では常にこんなに思いやりがある。

それを聞いて、古川嬌は呆れて言った:「このいとこに日頃から散々いじめられているんでしょう?」

「違うわ、そんなこと言わないで」城井沙織は俯いた。