たくさんのDMが届いていることに気づいた。
LY社内のスタッフからのものもあれば。
他のゲーム会社からのものもある。
ほとんどが引き抜きの誘いだった。
そりゃそうだ。
『鬼道』は今やネット上で大人気のゲームとなっている。
Wは現象級のゲームの天才となった。
彼女を引き抜けば、まさに金のなる木を手に入れるようなものだ。
小林綾乃は不要なDMを全て削除した。
その時、LY公式ロゴのアカウントからのDMが目に留まった。
相手のID名。
black。
ブラック?
小林綾乃は相手のDMを開いた。
びっしりと数十件のメッセージが並んでいた。
[Wさん、こんにちは。LY公式の担当者blackと申します。あなたのゲームを拝見しました。以前は100万USドルでの買取を考えていましたが、今は取締役が直接お会いしてお話したいとのことです。条件は自由に決めていただけます。お時間はございますでしょうか?]