鈴木赤玉は鈴木澪由と徳川勝に対して本当に二言はなかった。
彼女は孝行を尽くすだけでなく。
何事も二人の老人に従い、これほど長い間、二人の老人と一度も顔を赤らめたことがなかった。
言葉が落ちると、大口絢は続けて言った:「おじいちゃんもおばあちゃんもそんな年だから、明日のことは誰にもわからないわ。もし二人が突然何かあったとき、遺言もないなら、お母さんはどうするの?」
鈴木赤玉は徳川当主になれない。
娘として、結局は人の軒先を借りる哀れな虫に過ぎない。
でも鈴木赤玉が徳川当主になれば、それは違う!
そうなれば彼女は名実ともに徳川家の継承者となる。
鈴木赤玉は足を止めて、「遺言を残すかどうかはおじいちゃんとおばあちゃんの問題よ。私にはどうすることもできないわ」と言った。
ある事は他人が口にする方がまだいい。
彼女から積極的に言い出せば、あまりにも作為的すぎる。結局は名分が立たない。
大口絢はため息をついて、「お母さん、外の人はみんなおじいちゃんとおばあちゃんがお母さんを実の娘のように扱っているって言うけど、私はそうじゃないと思うの。もしかしたら最初から、私たち三人は彼らの目には他人でしかなかったのかもしれない」
「もし本当にお母さんを自分の娘だと思っているなら、こんなに長い間、お母さんを徳川家の内政だけに携わらせることはなかったはず。徳川グループのことは一切触れさせないのよ。お母さん、これはなぜだと思う?」
ここまで言って、大口絢は母親を見た。
鈴木赤玉もバカではない。笑いながら言った:「彼らは私が実の娘の利益を損なうことを恐れているのよ」
一度徳川グループに入れば、必ず徳川の全幹部を自分の人脈にしてしまうだろう。
そうなったら。
たとえ徳川秋水が見つかっても、実権のない継承者に過ぎない。
でも今の状況は全く違う。
鈴木澪由と徳川勝は年を取ったとはいえ、まだ重要な権力を握っている。最後の瞬間まで、彼らは絶対に手中の実権を手放さないだろう。
結局のところ。
彼らはまだ自分の娘のためを思っているのだ。
そう考えると、鈴木赤玉の目が曖昧になった。