コメントを終えた山本世月は、今時の若い女の子は本当に計算高いと心の中で感心した。
写真加工は自分のことばかり。
渡辺麗希を引き下げて自分の美しさを引き立てようとしている。
渡辺麗希が友達として紹介してくれたのに、なんて残念なことだろう!
渡辺麗希は純粋すぎる。
こんな小細工にも気付かないなんて。
そう思いながら、山本世月は無力に首を振った。
マッサージ師はその様子を見て、すぐに尋ねた:「渡辺さん、力が強すぎましたか?」
「いいえ」山本世月は目を閉じて、「このままの力加減でいいわ」
「かしこまりました」
マッサージ師はほっと胸をなでおろした。力加減を間違えてこのお金持ちの奥様の機嫌を損ねるのが怖かったのだ。
山本世月は彼女の新しい客だった。
初日から店で10万円もチャージしたのだ。