渡辺麗希は友達の輪に投稿した写真が加工なしのオリジナルだと強調しているようだったが。
山本世月は信じなかった。
母親として、自分の娘のことをよく分かっていた。
渡辺麗希は頑固で、少し融通が利かない。一度決めたことは、十頭の牛でも引き戻せないほどだ。
だから、彼女は小林綾乃のために隠しているのだ。
渡辺麗希は母親にどう説明すればいいか分からず、スマホから写真を探し出して母親に渡した。「ママ、本当にオリジナルかどうか見てください。」
山本世月は笑いながら言った。「本当のオリジナルはとっくに削除したんでしょう?」
娘のことを知っている彼女には、渡辺麗希がそんなことをするのは間違いないと思えた。
渡辺麗希:「...」
しばらくして、渡辺麗希は母親を見つめて言った。「ママ、私そんなにバカに見えますか?友達が自分だけ加工するのを見過ごして、その写真を友達の輪に投稿するなんて?」