その言葉を聞いて、山本世月は渡辺麗希を一瞥し、「お父さんの顔を立てて、このお金は出してあげるけど、約束してもらわないといけないわ。このお金を、あなたの新しい友達に貸すためのものじゃないってことを」
山本世月にとって、お金は単なる数字に過ぎなかった。
180万なんて、なおさら取るに足らない額だった。
でも、もしこのお金が小林綾乃に騙し取られるのなら、彼女はそんな損な役回りは御免だった。
渡辺麗希はすぐに三本指を立てて、「ママ、誓うわ。このお金は本当に家を買うためのものよ!誰にも貸したりしない。もし違ったら...」
天罰が下るようなことを言おうとした時、山本世月に遮られた。「わかったわかった、信じるから」
「やったー!」渡辺麗希は嬉しさのあまり飛び上がり、渡辺強を抱きしめた。「パパ大好き!」