065:目が覚めている山下おばあさん、本当の白眼狼!_2

その言葉を聞いて、山本世月は渡辺麗希を一瞥し、「お父さんの顔を立てて、このお金は出してあげるけど、約束してもらわないといけないわ。このお金を、あなたの新しい友達に貸すためのものじゃないってことを」

山本世月にとって、お金は単なる数字に過ぎなかった。

180万なんて、なおさら取るに足らない額だった。

でも、もしこのお金が小林綾乃に騙し取られるのなら、彼女はそんな損な役回りは御免だった。

渡辺麗希はすぐに三本指を立てて、「ママ、誓うわ。このお金は本当に家を買うためのものよ!誰にも貸したりしない。もし違ったら...」

天罰が下るようなことを言おうとした時、山本世月に遮られた。「わかったわかった、信じるから」

「やったー!」渡辺麗希は嬉しさのあまり飛び上がり、渡辺強を抱きしめた。「パパ大好き!」

山本世月は呆れて言った:「渡辺麗希、はっきりさせておくけど、このお金を出すのは私よ」

渡辺麗希は山本世月に向かって顔をしかめ、「それでもパパが一番好き」

渡辺強は目が細くなるほど笑って、このお金は超値打ちものだと感じた。「可愛い娘が言うなら、180万どころか、1800万だって出してやるよ!」

「パパ万歳!」

渡辺麗希はこの父娘を見て、呆れて首を振った。

夜。

渡辺麗希はベッドでゲームをしていた。

突然。

スマートフォンの画面に広告が表示された。

消そうとした時。

よく見ると、それは子供探しのニュースだった。

徳川秋水という女の子を探していた。

愛称は満ちゃん。

行方不明になった時は3歳の誕生日を過ぎたばかりで、赤いワンピースと黒い革靴を履いていた。両親の名前も家の住所も知っていて、漢字もたくさん読め、古い詩も暗唱できた。

頭の上に二つの渦巻きがある。

懸賞金1000万。

右側には女の子の写真が2枚添付されていた。

1枚は満月の写真で、もう1枚は3歳の時の写真。

写真の女の子は賢くて可愛らしく、大きな瞳がくりくりとしていてとても愛らしかった。

ふと。

渡辺麗希はこの女の子にどこか見覚えがあるような気がした。

ベッドから起き上がり、女の子の写真をじっと見つめ...どこで見たのか一生懸命思い出そうとした。

もし思い出せたら、家族の再会の手助けができるかもしれない。

それも善行の一つになるだろう。