070:光速で顔面打撃、報いが降りかかる_3

小林桂代は今の条件で十分に独り美しく生きていける。

ここまで話して、大川素濃は一旦言葉を切り、続けて言った。「お姉さん、今はもう以前とは違う身分なのよ。これからいろんな人に出会うかもしれないから、しっかり目を開いて、悪意のある人に騙されないようにしないと」

騙されるのは一度で十分。

小林桂代はとても純粋な人だから。

大川素濃は彼女が恋愛で同じ轍を踏むことを心配していた。

「うん」小林桂代は真剣に頷いた。

今は新しいパートナーを探す気はないけれど、大川素濃の言うことはとても理にかなっていた。

ちょうどそのとき、小林綾乃が二人の傍を通りかかり、笑いながら言った。「おばさん、お母さんと何を話してるの?なんだか秘密めいてるけど?」

大川素濃は冗談めかして言った。「あなたに継父を見つけようって話よ。綾乃、継父に何か希望はある?」

そう言い終わると、大川素濃は小林綾乃の表情の変化を注意深く観察した。

彼女は小林綾乃がこのことに反感を持っているかどうかを探っていた。

もし小林綾乃が小林桂代の恋愛に反対なら、小林桂代の性格からして、きっと娘の言うことを聞くだろう。

だから。

小林綾乃の態度はとても重要だった。

普通なら、娘はこういう話を聞いたら反対するはずだと思っていた。

ところが、小林綾乃は相変わらず笑顔で「特に希望はないわ。お母さんを大切にしてくれればそれでいい」と言った。

大川素濃は驚いた。

小林綾乃がこんなにも落ち着いているとは思わなかった。

小林綾乃は子供らしくない印象を与えた。

まるで多くの経験を積んだ上位者のようだった。

どんなことが起きても、常に冷静さを保っていられる。

小林桂代さえも、小林綾乃のこんな反応は予想外だった。

大川素濃は非常に驚き、少し不確かな様子で尋ねた。「綾乃、お母さんが継父を見つけることに反対じゃないの?」

「なぜ反対する必要があるの?」小林綾乃は眉を少し上げ、視線を小林桂代に向けた。「私は誰よりもお母さんが幸せになってほしいの」

それに。

彼女は小林桂代がこのことでプレッシャーを感じてほしくなかった。

小林綾乃は特に、そのプレッシャーが自分から来ることを望んでいなかった。

さらに、小林桂代はまだ若く、人生はまだ長い。再婚も普通のことだ。