070:光速で顔面打撃、報いが降りかかる_3

小林桂代は今の条件で十分に独り美しく生きていける。

ここまで話して、大川素濃は一旦言葉を切り、続けて言った。「お姉さん、今はもう以前とは違う身分なのよ。これからいろんな人に出会うかもしれないから、しっかり目を開いて、悪意のある人に騙されないようにしないと」

騙されるのは一度で十分。

小林桂代はとても純粋な人だから。

大川素濃は彼女が恋愛で同じ轍を踏むことを心配していた。

「うん」小林桂代は真剣に頷いた。

今は新しいパートナーを探す気はないけれど、大川素濃の言うことはとても理にかなっていた。

ちょうどそのとき、小林綾乃が二人の傍を通りかかり、笑いながら言った。「おばさん、お母さんと何を話してるの?なんだか秘密めいてるけど?」

大川素濃は冗談めかして言った。「あなたに継父を見つけようって話よ。綾乃、継父に何か希望はある?」