「この内装は私たちがお金を払って頼んだものよ。お金を払わないのなら構わないわ。どうせペンキは用意してあるから、その時はあなたたちが新しく内装し直せばいいだけのことよ!」
言い終わると、大川素濃は隣の従業員に向かって言った。「森下さん、中の何缶かのペンキを持ってきてちょうだい。」
「はい、大川さん。」
すぐに、森下はペンキを持ってきた。
大川素濃はペンキを受け取り、蓋を開けて撒こうとしたが、古川月と中村忠正に止められた。
「なぜ私の店舗でペンキを撒くの?」古川月は怒りで顔が青ざめていた。
店舗は全部で200平方メートル以上あり、もし新しく内装し直すなら最低でも10日はかかる。
美人亭の現在の売上から計算すると、10日間で少なくとも100万円の損失になる。
だから、絶対に大川素濃に内装を台無しにされるわけにはいかない。
中村忠正は妻と同じ怒りを感じ、「そうだ!これは私たちの店舗だ。君に何の権利があってペンキを撒くんだ?」
本当に厚かましい。
物音を聞いた田中麗子も隣の店から来て、この状況を見て、すぐに大川素濃の前に立ち、「なぜペンキを撒いちゃいけないの?この店舗は最初は何もない スケルトン状態だったのよ!碧と綾乃のお母さんがお金を出して内装したんだから、彼女が撒きたければ撒けばいい。文句があるなら警察を呼べばいいじゃない!」
前の店主も出て行く時に内装を取り外していった。
大川素濃はすぐに言った:「そうよ、警察を呼んでみなさいよ!」
警察が来ても古川月の味方はしないだろう。
これを聞いて、古川月と中村忠正は目を合わせ、二人は何も言わなかったが、お互いの目の中に相手が伝えたい意味を見た。
田中麗子の言う通りだ。
店舗は大川素濃と小林桂代が内装したのだから、警察を呼んでも無駄だ。
そう考えて、古川月は大川素濃を見て、心の怒りを抑えながら、「わかったわ!お金が欲しいんでしょう?払えばいいんでしょう!」
大川素濃はようやくペンキ缶から手を離し、店の支払いコードを取り出して、「QRコードを読み取ってください。10万円です。」
古川月は携帯を取り出し、2回に分けて10万円を送金した。
支払い完了後、古川月は送金記録を見せながら、「その犬の目をよく開けて見なさい。もう支払いは完了したわ!さっさと私の店舗から出て行きなさい!」