この言葉を聞いて、白川露依は目を細めた。
良好だって?
そんなはずがない。
山下おばあさんが頑固にもあんな偽物のスキンケア製品を使ったのだから、今頃は顔がボロボロになっているはずだ。
彼女はニュースで見ていたのだ。
問題のスキンケア製品は皇妃物語という名前だった。
被害者は2000人以上に及び、社長は20年以上の実刑判決を受けた。
白川露依は美人亭についてあまり印象がなく、山下おばあさんが使っていたスキンケア製品は問題の皇妃物語だと思い込んでいた。
白川露依は続けて言った:「分かったわ、明日空港まで迎えに行くわ。」
それを聞いて、山下言野は居間の方を見て、「おばさん、そんなにお忙しいのに、わざわざ来ていただかなくても。おばあちゃんのことは僕がいるから大丈夫です。」
白川露依は目を細めて、「三郎、それはあなたの考えなの?それともおばあちゃんの意見?」
考えるまでもなく、きっと義母の意見に違いない。
義母は当時アドバイスを聞かず、今は顔に傷ができて自分に会うのが恥ずかしいのも当然だ。
山下言野が話す前に、白川露依は続けて言った:「私は最近そんなに忙しくないわ。2時半に空港でしょう?迎えに行くわ。」
言い終わると、白川露依は電話を切った。
山下言野は切れた電話を見つめながら、居間の方へ歩いて行った。
彼が戻ってくるのを見て、山下おばあさんはすぐに尋ねた:「誰からの電話?」
山下言野は答えた:「おばさんからです。明日迎えに来るそうです。」
山下おばあさんは頷いた。
鈴木澪由は山下おばあさんを見て、顔中に羨ましそうな表情を浮かべた。「遥姉さん、本当に幸せですね。お家の子供たちみんなこんなに孝行で。」
もし彼女の娘がまだいたら、きっと孝行な子だったはずだ。
だって秋水は小さい頃からいい子だったから。
この言葉を聞いて、傍らの鈴木赤玉は呆れ果てた。
鈴木澪由は何を言っているのか?
彼女たち三人家族が孝行が足りないと暗に言っているのか。
まったく身勝手な話だ。
鈴木澪由を実の母親のように思ってきたのに。
今考えると、本当に皮肉だ。
山下おばあさんは笑って言った:「澪由さん、あなたの幸せはこれからよ!」
なぜか分からないが、彼女は鈴木澪由がきっと実の娘の徳川秋水を見つけられると感じていた。