「確かにそう言いました」渡辺文臣も否定せず、続けて言った。「でも、どうして彼女が世界で一番美しい女性だと分かるの?」
「だって、私が見た中で一番きれいな人だもん!それに、私は彼女のことが大好き。いい香りがするの!」パパみたいに全然いい香りがしないのとは違って。
渡辺文臣は笑いながら言った。「それは君が小さいからだよ。世間知らずで、たまたま見かけた綺麗な人を世界一だと思ってしまうんだ。実際はそうじゃないよ!」
もちこは真剣に聞いていて、大きな目をパチパチさせながら、「でも私は本当にあのママが好きなの。パパ、もし結婚するなら、あのママと結婚してくれない?」
これを聞いて、渡辺文慈は思わずつぶやいた。「あの小娘が何か怪しげな薬でも飲ませたのかしら!」
「おばさん、そんな失礼な言い方するの?私のママは世界で一番素敵なママなの!ふん!」もちこは手を腰に当て、甘えた声で言った。「おじさんに電話して、おばさんのお尻をぺんぺんするように言いつけちゃうわよ!」
そう言って、もちこは自分の腕時計型電話を取り出した。
渡辺文慈:「...」弟は小さい頃口べたで、中学生になってようやく改善されたのに、この小悪魔は一体誰に似たのだろう。
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西京の徳川家。
山下おばあさんは明日出発するため、夜に特別に鈴木澪由の寝室に来て話をしていた。
「澪由、絶対に覚えておいてね。徳川家のことは決して赤玉に関わらせてはいけないわ」ここまで言って、目を細めた。「たとえ心の中で彼らに償いたいと思っても、それを表に出してはいけないわ。分かる?」
山下おばあさんは具体的な証拠がないため、どう言えばいいのか分からなかった。
徳川家の上から下まで、何かおかしいと感じていた。
最も重要なのは、彼女には恐ろしい直感があった。
徳川勝と鈴木澪由が今まで無事なのは、遺言を残していないし、鈴木赤玉が徳川家の相続人だということを公表していないからだと思っていた。
もしこのニュースが公表されたら、徳川勝と鈴木澪由はとっくに...
鈴木澪由は頷いて、「遥姉さん、おっしゃることは全部心に留めておきます」
二人の姉妹は深夜まで話し込んだ。
最後に、山下おばあさんは笑いながら言った。「東区に行くときは必ず私のところに寄ってね。あなたと徳川も随分と来ていないわ!」
「はい」