078:真の姿!_2

大川素濃は続けて言った。「強輝は姉さんに身の上を話したの。二人とも聞きたいことがあるみたいだから、家に戻って話してあげて」

大川お母さんは一瞬固まった。「もう話したの?」

「うん」

大川お母さんは頷いた。「わかったわ、二階に行くわ」

大川素濃は母の袖を引っ張って、「お母さん、ちょっと待って」

「何よ、また?」大川お母さんは不機嫌そうに振り返った。

大川素濃は母の性格をよく知っていたので、さらに注意を促した。「必要なことだけ話して。余計なことは言わないで。姉さん、今夜は気分が良くないから。強輝は姉さんのことを何より大切にしているでしょう」

「安心しなさい!私だってこの歳まで生きてきて、そのくらいの機微はわかるわよ」彼女もこういう話は娘の前でしかしない。小林強輝に聞かれたら嫌われてしまうかもしれないから。

言い終わると、大川お母さんは階段を上がっていった。

すぐに三階に着いた。

大川お母さんが来るのを見て、小林強輝はすぐに立ち上がった。「お母さん」

大川お母さんは頷いた。「強輝」

そう言って、大川お母さんは小林桂代の方を見た。「桂代、そんなに悲しまなくていいのよ。あの時代は、あなたのような境遇の人は珍しくなかったのだから」

小林桂代の目が赤くなっているのを見て、大川お母さんには理解できなかった。

こんなことで泣くことなんてないじゃない!

もう過ぎたことなのに。

実の子供かそうでないかなんて、何の違いがあるの?

大川お母さんは小林桂代が大げさだと感じた。

それを聞いて、小林綾乃は眉をひそめた。「大川おばあさん、私のお母さんみたいな人が他にもいたということですか?」

「もちろんよ!でも、他の人たちと比べたら、お母さんはずっと幸運だったわ」大川お母さんは続けた。「あの頃は男尊女卑で、女の子が生まれたらすぐにトイレに捨てて溺死させる家も多かったのよ!そうでなければ、裏山に捨てて狼の餌にした。それに比べれば、お母さんは少なくとも生き延びられた」

大川お母さんは簡単に言ったが、聞いている人々は背筋が凍る思いだった。

それは一人の子供なのだ。

ただの猫や犬ではない。

たとえ猫や犬でも、そんな扱い方はできない!