まさか彼女たちの化粧品店が閉店するのかしら?
そうよ。
きっとそうに違いないわ。
だって、もうこんなに長い時間が経ってるもの。
大川素濃はきっと店舗の譲渡先が見つからなくて悩んでいるのね。
それなのに小林桂代は前に彼女に美人亭への投資を望んでいたなんて。
人を害することじゃないの?
幸い彼女は賢明で、すぐに小林桂代を断ったわ。
そう考えながら、小林桂美は続けて言った:「碧、何か心配事でもあるの?」
大川素濃はその時になってようやく我に返り、「二姉さん、お帰りなさい」
小林桂美は頷いて、続けて言った:「どうしたの?」
「何でもないわ」大川素濃は続けて言った:「果留を待ってるだけよ」
小林桂美はそこで初めて、傍らで遊んでいる小林国史に気付いた。
「でも、どうして心配そうな顔をしているの?」小林桂美は目を細めた。
「大丈夫よ」
大川素濃のこの様子を見て、小林桂美は自分の推測がほぼ当たっていると分かった。
きっと化粧品店が倒産するのよ!
小林桂美は笑いながら言った:「先日、姉さんが私に投資の話をしていたけど、あなたたちの店は今どんな調子?」
「とても良いわ」大川素濃は頷いた。
とても良い?
それを聞いて、小林桂美の目には嘲笑の色が浮かんだ。
この大川素濃は本当に私をバカにしているわね?
あんな無許可の化粧品なんて、幽霊だって買わないわよ!
彼女たちに商売が成り立つわけない?
夢見てるのよ!
心の中ではそう思っていたものの、小林桂美はそれを表に出さず、話題を変えて言った:「今日は姉さんの誕生日だけど、私は遅れて帰ってきたわ。今まだあなたの家にいる?」
その言葉を聞いて、大川素濃は小林桂美を見つめ、それから頷いて、「いるわよ」
「じゃあ、上がって様子を見てきて、ついでにプレゼントも渡してくるわ」小林桂美は小林桂代とあまり関わりたくなかったが、その人は結局自分の姉で、しかも自分を育ててくれた姉なのだ。
恩知らずだと言われるわけにはいかない!
だから、用意すべきプレゼントは用意しなければ。
小林桂美は行動が正々堂々としていて、人の口に上りたくないのだ。
小林桂美の後ろ姿を見ながら、大川素濃は何かを思い出したように、突然小林桂美を呼び止めた。「二姉さん、ちょっと待って」