077:恐ろしい実力、身分を明かす_5

小林綾乃は力を入れすぎたようだ。

彼は今は勉強に集中したいだけで、どうしてこんなことに気を取られるだろうか?

そう言って、城井沙織は斎藤明露の方を向いて、「それと、明露もこれは秘密よ」と言った。

斎藤明露は頷いて、「分かった分かった」と答えた。

秋山春樹は続けて言った:「じゃあ、話してて。私は先に帰るよ」

秋山春樹の家は3階にある。

夕方のラッシュ時はエレベーターが混んでいるので、彼は階段を使うことにした。

小林綾乃の新しい借り部屋は2階にある。

小林綾乃の部屋の前を通りかかると、ドアが開いていて、入り口に黒猫が座っているのに気付いた。

ドアの外から、小林綾乃のシルエットがかすかに見えた。

秋山春樹はちらっと見ただけですぐに視線を外した。小林綾乃はわざとドアを開けていたのだろうか?