黄ばみが消えた。
山本世月は目を見開いた。
目の錯覚だろうか?
そのとき、メイドが山本世月に栄養剤を持ってきた。山本世月はメイドに向かって「大谷おばさん、私の顔、前ほど黄ばんでないでしょう?」と尋ねた。
大谷おばさんは渡辺家で長年働いており、普段から山本世月とは仲が良かった。その言葉を聞いて頷きながら「はい、奥様。私たちも内々で話していたんですよ!最近お肌の調子がとても良くなったと皆が言っていました」と答えた。
山本世月は甘いものが大好きだった。周知の通り、糖分が肌のコラーゲンと化学反応を起こすと糖化最終生成物ができ、それによって肌の老化が進み、肌の黄ばみやニキビの原因となる...
そのため、山本世月の肌は以前とても黄ばんでいて、外出する時はいつもBBクリームを塗り、重要な場面では、メイクアップアーティストを自宅に呼んでフルメイクをしてもらっていた。