078:真の姿!_7

ドアを開けたのは小林強輝だった。

「お姉さん、何か用?」彼の態度は少し悪かった。

先ほどの小林桂代の誕生日に小林桂美は来なかったのに、今来て何の意味があるのだろうか?

この次女に対して、小林強輝は本当に失望していた。

確かに幼い頃の小林桂美はこんな人ではなかった。

小林桂美は小林強輝の表情の違和感に気付かないようで、家の中を覗き込んで「お姉さんは?」と尋ねた。

小林強輝は彼女を一瞥して「帰ったよ」と答えた。

そう言って、小林強輝は続けた:「分からないんだけど、あなたの家のスーパーそんなに忙しいの?お姉さんの誕生日に食事に来ることもできないなんて!」

弟がこんな態度を取るのを見て、小林桂美は呆れた。

血のつながりもないのに、弟は何故部外者のために彼女に腹を立てるのだろう?

「強輝、私は全部知ってるわ」

「何を知ってるんだ?」小林強輝は眉をひそめた。

「お姉さんは両親が養子に迎えた子よ。私たちの本当の姉じゃないの」厳密に言えば、彼女と小林桂代には何の関係もないので、小林桂代に何かをしてあげる必要はないのだ。

この言葉を聞いて、小林強輝は怒りで顔が青ざめた。「お姉さん!自分が何を言っているか分かってるの?もしお姉さんがいなかったら、私たちは大学に行けて今の生活を送れていたと思う?」

大川素濃が小林桂美は恩を知らないと言う度に、小林強輝はいつも彼女をかばっていた。

結局は実の兄妹なのだから。

時々、小林桂美はこの数年間、嫁ぎ先でも大変な思いをしているのだろうと思っていた。

しかし今。

まさか小林桂美の口からこんな言葉が出るとは。

小林桂美は何が言いたいのか?

お姉さんと血のつながりがないからといって、これまでの彼女の献身を無にしていいというのか?

それは小林強輝を非常に怒らせた!

弟が怒っているのを見て、小林桂美はすぐに口調を変えた。「強輝、ほら見て、どうしてそんなに怒るの?私のことはよく知ってるでしょう、率直に思ったことを言うタイプで、本当は悪意なんてないのよ!もし私がそんなに良心がないなら、今こうしてお姉さんを訪ねて来るかしら?誕生日プレゼントを持って来るかしら?」