082:長年隠された秘密_5

「ご飯でもどう?」

大川素濃は不思議そうに尋ねた。「なぜ私たちを食事に誘うの?」

小島俊は笑いながら理由を説明した。「これはすべて綾乃のおかげなんです。お嫂さんと兄さん、それに山口おばさんも果留ちゃんと一緒に来てくださいね!」

「はいはい」大川素濃は頷きながら、小島俊にお祝いの言葉を忘れなかった。

大川お母さんは小島俊がエレベーターに乗り込むのを見送ってから、やっと口を開いた。「ほら見なさい、山口のあの先見の明。綾乃の言うことを聞いて家を売らなかったでしょう。私が桂美だったら、即座に飛び降りて死んでたわ」

大川素濃は慌てて大川お母さんの口を押さえた。「お母さん、小声にして!人のあだ名なんてつけないで、山口おばさんはいい人なのよ」

大川お母さんは呆れた様子で、「だってあの人は未亡人じゃないの、それすら言っちゃいけないの?」