082:長年隠された秘密_4

しかし、当時の城井家の者たちは詐欺師に遭ったことに気付かず、ただ天の恵みを受けたと思っていた。

だからこそ高値で家を売ることができたのだ。

息子の言葉を聞いて、すでに悲しんでいた城井お母さんはさらに悲しくなり、泣きながら言った。「定邦、あなたは薄情だわ。まさか小林桂美と一味だったなんて...やっぱり嫁をもらったら母親を忘れるものね...」

城井定邦は全体的には問題のない人物で、桂美とはこの数年間とても深い絆を築いていた。「この件は家族全員に責任があります。私たち全員が同意しなければ、桂美一人では家を売ることはできなかったはずです。」

部屋で涙を拭っていた小林桂美は、夫がこのように自分を守ってくれるのを聞いて、少し気持ちが楽になった。

もし城井定邦までも自分の味方でなくなったら、この家にはもう居られなくなるだろう。

城井お母さんは涙をボロボロ流していた。

城井定邦はため息をつき、「お母さん、こんなことが起きて私も辛いです。でも、もう起きてしまったことです。泣いても何も解決しません!本当に私と桂美を離婚させたいんですか?それでも気が済まないんですか?」

「離婚!そうよ、あなたたちに離婚してほしいの!」城井お母さんは心の中の煩悩を払拭できないのだ。

小林桂美がいなければ、スーパーを売ることなど絶対になかった。

城井定邦は続けて言った。「離婚も構いません。ただし、私は絶対に沙織の親権を争いません。それでよろしければ、明日にでも手続きに行きましょう!」

この言葉を聞いて、城井お母さんは心臓発作を起こしそうになった。

息子は自分が最も大切にしている孫娘のことを知っているはずなのに。

なのに今!

それを使って脅すなんて!

育てた甲斐がない!

この息子は本当に育てた甲斐がない。

城井お父さんは息子の性格を知っており、この時は仲裁に入らざるを得ないと分かっていた。「もういい、もういい!蓮花、もう十分だろう!家庭を破滅させたいのか?」

城井お母さんは黙り込んだ。

城井定邦は父親を見て、「お母さんを慰めてあげてください。」

そう言って、寝室の方へ向かった。

小林桂美の方も慰める必要があった。

——

小林家。

大川お母さんはにこにこしながら家に帰ってきた。「碧、私が今見てきた面白いことを当ててごらん?」