085:こうして征服された~_7

彼女はネットでスピーカーを買い、そのスピーカーからは「廃品回収!廃品回収!廃品回収!」と繰り返し流れていた。

夏休み中で、多くの子供たちが道路の両側で遊んでいた。

山下おばあさんは車のスピードを落とし、マンションの入り口の路肩に停車した。

停車してすぐ、一人のおばさんが段ボールの束を持って売りに来た。廃品回収の山下おばあさんが自分よりも年上だと気づき、驚いて「おいくつですか?」と尋ねた。

「九十歳ちょっとです」山下おばあさんは笑顔で答えた。

おばさんは目を丸くして、「九十歳過ぎてこんなにお元気なんて!」

これはすごすぎる。

山下おばあさんはおばさんの持っていた段ボールを計量し、笑顔で「全部で15キロ、1キロ50円で、7元50銭です」と言った。

おばさんは少し不満そうに「段ボールは今80銭だって聞いたんですけど」

少し前までは1元だったが、最近値下がりしていた。

山下おばあさんは説明した。「リサイクルセンターでは確かに80銭ですが、私も差額で利益を得なければなりませんからね。そうでなければ慈善事業になってしまいます」

彼女はまさにビジネスの天才だ!

おばさんは即座に言葉を失った。

山下おばあさんはポケットから小銭を取り出しておばさんに渡した。

より本物らしく見せるため、山下おばあさんは廃品回収だけでなく、ついでにゴミも拾っていた。

小林綾乃がマンションから出てきた時の反応を見たかったのだ。

山下おばあさんは順調にゴミ箱から売れそうな廃品を拾い、それを持って入り口に向かっていると、ちょうど入ってくる少女とすれ違った。

少女は軽やかなワンピースを着ており、そよ風が吹いて、スカートの裾が山下おばあさんの持っている廃品に触れてしまった。

この光景を見て、城井沙織は気分が悪くなった。彼女が買ったばかりの新しいドレスだった。

3000元もしたのに!

小林綾乃に同じものを買われないように、城井沙織はわざと高いものを選んで買った。

どうせ彼女の家にはお金が余っているのだから。

でも小林綾乃は違う。

小林綾乃のような貧乏人に、数千元もするワンピースが買えるはずがない。

絶対に無理だ。

「この老いぼれ!目が見えないの?」普段なら、城井沙織は団地での評判を気にして、優しく上品な態度を保っていただろう。

でも今は。