089:身分違いの相手!_2

「ありがとう、おばさん」

小林桂美は笑いながら小林国史の頭を撫でて、「どういたしまして。果留は学校の成績はどう?」

その言葉を聞いて、小林国史はすぐにポケットからキャンディーを取り出して小林桂美に返した。「おばさん、もう食べません」

小林桂美:「...」

この小林国史は見たところ、勉強には向いていないタイプだ。

まあ、見ていればわかる。

将来きっと社会のお荷物になるだろう。

城井沙織とは比べものにならない。

そうだな。

三姉妹の子供たちの中で、城井沙織が一番出来が良いようだ。

そう思うと、小林桂美の口元が少し上がった。

しばらくして、小林桂美は大川素濃を見て、「碧、果留に習い事をさせているの?」

大川素濃は答えた:「格闘技を習わせています」

これは小林国史が自分で選んだものだった。

彼は小さい頃からこういうのが好きだった。

大川素濃は開明的な母親で、小林国史に何も強要せず、すべての習い事は彼が自分で選んでいた。

何よりも楽しさが大切だ。

母親として、息子に楽しい子供時代を過ごしてほしかった。

格闘技?

小林桂美は眉をひそめた。

格闘技なんて何の役に立つの?

社会に出てから不良と喧嘩でもするつもり?

「碧、男の子でも格闘技以外にピアノとか習わせてもいいのよ。うちの沙織は小さい頃からピアノを習っていて、情操教育にとても良いのよ」ここまで言って、小林桂美は小林桂代を見た。「綾乃にも習わせたらいいわ。今からでは少し遅いけど、何も習っていないよりはずっといいわ」

ここで小林桂美は一旦言葉を切り、笑いながら言った:「うちの沙織はもうピアノ6級なのよ。よかったら、みなさんの前で演奏してもらいましょうか?」

これを聞いて、城井家の親戚たちはすぐに賛同した:「いいわね、沙織がどれくらい上手くなったか見てみましょう」

小林桂美はすぐに城井沙織を書斎から呼び出した。

城井沙織は今日高級ブランドの服を着て、頭にはクリスタルのリボンを付けていて、まるでおとぎ話から出てきたお姫様のようだった。

彼女は出てくるなり、隅に座っている小林綾乃に気付いた。

城井沙織は目を細めた。

あの顔以外に、小林綾乃に何か誇れるものがあるの?

私はもうピアノ6級よ。

小林綾乃に何ができるの?

恥をかくことくらい?