彼女は喧嘩が得意だった。
すぐに。
大川お母さんは小林国史を連れて去り、その際、小林国史は左利を抱いて連れて行った。
子供が見てはいけないものは、子猫も見てはいけない。
その時になってようやく、小林桂美は我に返り、顔を押さえながら小林強輝を見つめた。「私を叩くの!小林強輝、あなた私を叩いたのね!」
小林桂美は小林強輝が自分を叩くとは思ってもみなかった。
彼女は小林桂代のためを思ってのことだった。
都会の人と結婚できるのは、小林桂代にとって幸せなことなのに、小林強輝は彼女と一緒に小林桂代を説得するどころか、逆に小林桂代と共に敵対していた。
記憶の中で、両親でさえ彼女を叩いたことはなかった。
なのに今!
小林強輝は他人のために彼女を叩いた。
笑える。
本当に笑える。
小林強輝は忘れてしまったのか、彼女こそが血の繋がった実の姉だということを。