090:絶縁!_2

彼女は喧嘩が得意だった。

すぐに。

大川お母さんは小林国史を連れて去り、その際、小林国史は左利を抱いて連れて行った。

子供が見てはいけないものは、子猫も見てはいけない。

その時になってようやく、小林桂美は我に返り、顔を押さえながら小林強輝を見つめた。「私を叩くの!小林強輝、あなた私を叩いたのね!」

小林桂美は小林強輝が自分を叩くとは思ってもみなかった。

彼女は小林桂代のためを思ってのことだった。

都会の人と結婚できるのは、小林桂代にとって幸せなことなのに、小林強輝は彼女と一緒に小林桂代を説得するどころか、逆に小林桂代と共に敵対していた。

記憶の中で、両親でさえ彼女を叩いたことはなかった。

なのに今!

小林強輝は他人のために彼女を叩いた。

笑える。

本当に笑える。

小林強輝は忘れてしまったのか、彼女こそが血の繋がった実の姉だということを。

小林桂代はただの他人に過ぎない。

小林強輝は小林桂美を一発殴ったが、少しも後悔していなかった。怒りを含んだ表情で、「殴るだけで済んでよかったんだ!小林桂美、お前は良心のない畜生だ!子供の頃、姉さんが俺たちにどれだけ尽くしてくれたか忘れたのか?姉さんの犠牲がなければ、今のお前はないんだぞ!跪け!今日、姉さんに謝って跪かないなら、俺は二度とお前を姉とは認めない!」

こうなることが分かっていたら、小林桂代は小林桂美のために自分の学業を犠牲にする必要はなかった。

全く価値がない。

跪く?

小林桂美は幻聴かと思った。

なぜ実の弟までもが自分を理解してくれないのか分からなかった。

彼女のしたことは全て小林桂代のことを考えてのことだった。

彼女は小林強輝を見上げて言った。「なぜ私が彼女に跪かなければならないの?これは全て彼女の当然の務めよ!彼女は本来私たちとは何の関係もない人で、もし両親が拾ってこなかったら、とっくに死んでいたはずよ!」

そう言い終わると、小林桂美は続けた:「それに、私が何を間違えたというの?彼女に跪く必要なんてあるの?私の言ってることは間違ってる?彼女が誰も相手にしない破れかぶれの女じゃないっていうの?明涛兄さんの体調が悪くなければ、こんな得な話は彼女のところまで回ってこなかったはずよ!この破れかぶれの女は恩を知らないだけでなく、恩を仇で返すのよ!」