090:絶縁!_3

「うん。」

仕事の都合で、小林綾乃は寝室にプリンターを設置していたので、すぐに絶縁状を印刷することができた。

絶縁状は三部作成された。

小林桂代、小林桂美、小林強輝の三姉弟に一部ずつ。

小林桂美は早く縁を切りたがっていたので、ペンを取って素早く絶縁状に署名し、手印を押した。

小林桂代は絶縁状に手を当てながら、過ぎ去った年月を思い出していた。

あの頃。

彼女は姉であり、母親でもあった...

あっという間に、どうしてこんなことになってしまったのだろう?

小林桂美は小林桂代を見て、冷ややかに言った。「絶縁するんじゃなかったの?どうした?手印を押す勇気がないの?」

彼女は小林桂代が自分との縁を切りたくないことを知っていた。

彼女は都会の人間なのだから。

小林桂代なんて何者?

小林桂代の残っていたわずかな親情も、小林桂美のこの言葉とともに消え去った。彼女は直接指を噛んで、絶縁状に自分の手印を押した。

指を噛んだのは、この痛みを永遠に忘れないようにするためだった!

この傷を!

小林桂代が絶縁状に手印を押したのを見て、小林桂美はほっとした。やっとこの田舎者との縁が切れたのだ。

小林強輝も躊躇なく絶縁状に手印を押した。

三人はそれぞれ絶縁状を大切にしまった。

桐山明晴はこのような形で事が収まるとは思っていなかった。彼女は小林桂代を見て、バッグから名刺を取り出し、「これに私の連絡先が書いてあります。もし後悔したら、いつでも連絡してください。私の兄と結婚すれば、青葉市の戸籍もすぐに約束できます」と言った。

そう言うと、桐山明晴は立ち去ろうとした。

「ちょっと待って。」

空気の中に突然、小林綾乃の声が響いた。

桐山明晴は足を止め、口角を上げた。やはり、ある人は青葉市の戸籍の誘惑に耐えられないだろうと思っていた。

ほら。

まだドアを出る前に。

小林綾乃がもう我慢できなくなったのだ。

そう思いながら、桐山明晴は振り返って部屋の中を見た。

その時、小林綾乃はテーブルの上の名刺を取り、桐山明晴の方向に投げつけた。

シュッ!

名刺は瞬時に飛んでいき、その速さといったら、しかも桐山明晴の頬をかすめて飛んでいった。

名刺の端が桐山明晴の髪を切り落とした。

次の瞬間、名刺はドア枠に突き刺さった。

木に深く食い込んで!