093:この上ない栄誉!

美人亭は現在、青葉市に4つの店舗があり、自社の加工工場も持っているため、将来的な発展は間違いありません。

後藤淑子は教養があり知識もあるので、美人亭で頑張れば昇進は確実です。

しかし。

後藤淑子は昇進を目的に来たわけではありませんでした。

彼女は社員が優先的にスキンケア製品を購入できる制度を目当てに来たのです。

なぜなら、彼女も美人亭の熱心なファンだったからです。

さらに彼女は美人亭の最初のモニターの一人でした。美人亭と出会う前の後藤淑子の顔は、血色が悪いだけでなく非常に黄色く、厚いファンデーションでも隠せないような生気のない疲れた感じで、実の両親さえも毎日不機嫌な顔をしている彼女を嫌っていました。夫と離婚したのも無理はありませんでした。

美人亭を使い始めてからは、血色が良くなっただけでなく、人生の第二章を迎えることができました。

そのため。

彼女は美人亭というブランドに深い愛着があり、副店長に応募したのもそれが理由の一つでした。

それを聞いて、彼女は小林桂美に笑顔を向けて、「そう言ってくれてありがとう」と言いました。

小林桂美はさらにお世辞を続けました。「淑子さん、久しぶりね。とても綺麗になって、若返ったわ」

誰の女性が自分を褒められるのを嫌がるでしょうか?

それを聞いて、後藤淑子は手で自分の顔に触れながら、笑って「本当?」と尋ねました。

実際、彼女も感じていました。

美人亭を使い始めてから、彼女は綺麗になっただけでなく、自信も持てるようになりました。そうでなければ、今の夫とも出会えなかったでしょう。

今の夫はお金持ちで、彼女を非常に大切にしてくれます。

小林桂美は急いでうなずき、「もちろん本当よ」と言いました。

後藤淑子は褒められて嬉しくなり、続けて「スキンケア製品を買いに来たの?」と聞きました。

「ええ」と小林桂美は続けて「みんな美人亭がいいって言うから、試してみたいと思って。でも、お店の行列が長すぎるのよ!」

そう言って、小林桂美はため息をつき、「いつになったら私の番が来るのかしら」

後藤淑子は行列を見て、笑いながら「私について来て」と言いました。

小林桂美は心の中で大喜びし、すぐに後藤淑子の後について行きました。コネがあるというのは違うものですね。