096:自ら告白_3

「ふん」渡辺麗希は冷笑した。

松本楠敬は眉を少し上げ、「信じないのか?」

「信じるわけないでしょう!」

松本楠敬はテニスボールを持ち、目を細めて小林綾乃を見つめた。「綾乃、負けても泣かないでよ!」

小林綾乃は眉を少し上げ、「控えめにした方がいいわよ」

松本楠敬はふふっと笑った。

小林綾乃の傲慢さといったら。

今日こそ小林綾乃に人としての道を教えてやる。

小林綾乃に本当のテニスの達人とはどういうものか見せてやる。

松本楠敬はボールを小林綾乃に投げ、「サーブは君からどうぞ」

「いいわ」小林綾乃は軽く手を上げ、松本楠敬が投げたボールを直接キャッチした。

松本楠敬は一瞬固まった。

さっき投げたボールはかなりの勢いだったはずだ。

あれだけの衝撃があったのに、小林綾乃はどうしてあんなに簡単にキャッチできたんだ。