「ふん」渡辺麗希は冷笑した。
松本楠敬は眉を少し上げ、「信じないのか?」
「信じるわけないでしょう!」
松本楠敬はテニスボールを持ち、目を細めて小林綾乃を見つめた。「綾乃、負けても泣かないでよ!」
小林綾乃は眉を少し上げ、「控えめにした方がいいわよ」
松本楠敬はふふっと笑った。
小林綾乃の傲慢さといったら。
今日こそ小林綾乃に人としての道を教えてやる。
小林綾乃に本当のテニスの達人とはどういうものか見せてやる。
松本楠敬はボールを小林綾乃に投げ、「サーブは君からどうぞ」
「いいわ」小林綾乃は軽く手を上げ、松本楠敬が投げたボールを直接キャッチした。
松本楠敬は一瞬固まった。
さっき投げたボールはかなりの勢いだったはずだ。
あれだけの衝撃があったのに、小林綾乃はどうしてあんなに簡単にキャッチできたんだ。