096:自ら告白_4

しばらく見ていたが、小林綾乃の姿は見えず、男子たちと一緒にバスケをすることにした。

一橋啓子のバスケの腕前はそれほど上手くはなかったが、女子と比べるとずっと良く、そのため男子たちと熱心にプレーしていた。

秋山春樹もその中にいた。

高校三年生の勉強は退屈で味気ないものだが、やっとリラックスできる時間が来て、バスケをするのがストレス解消の最高の方法だった。

みんながボールを奪い合っていた。

そのとき。

背の高い男子がボールを奪い、かなりクールなポーズでゴールに向かってシュートを放った。

バン!

しかし。

ボールはゴールに入らず、リングの端に当たって方向を変え、観客の方へ高速で飛んでいった。

おしゃべりをしていた生徒たちは全く反応できていなかった。

シュートを打った男子の顔が真っ青になった。

その瞬間。

彼は緊張のあまり「避けて!」という言葉さえ出せなかった。

その場で固まってしまった!

ボールが観客の一人に当たりそうになった時、男子は遺言まで考えていた。

そのとき。

群衆の中から一つの細い影が現れた。他の人々のパニックとは違い、彼女は手を上げて軽やかにジャンプし、その動きに合わせてスカートが少し上がり、白い細い腰が見えた。

パチン。

彼女はそのままボールをキャッチした。

とてもクールな姿勢で。

そして彼女はゴールに向かって、さっと投げた。

バン!

ボールはそのままゴールに入った。

危機は彼女によって簡単に解決された。

同時に、群衆から驚きの声が上がった。

「すげえ!かっこいい!」

「小林様、最高!」

「惚れた惚れた。」

「なんで彼女は学校の美人コンテストに出ないの?絶対投票するのに!」

「...」

シュートを打った男子も安堵の表情を見せ、ボールを受け取って小林綾乃の方へ急いで走ってきた。

一緒にプレーしていた人たちも走ってきた。

小林綾乃の側に来た時、一橋啓子はやっと気づいた、ボールをキャッチしたのが小林綾乃だったことに!

だからあんなにかっこよかったんだ!

そう思い、一橋啓子は目を見開いて、興奮して秋山春樹の袖を引っ張った。「やばい!ボールをキャッチしたのが小林美人だったなんて!」

驚いたのは一橋啓子だけではなかった。

秋山春樹も予想していなかった。