096:自ら告白_4

しばらく見ていたが、小林綾乃の姿は見えず、男子たちと一緒にバスケをすることにした。

一橋啓子のバスケの腕前はそれほど上手くはなかったが、女子と比べるとずっと良く、そのため男子たちと熱心にプレーしていた。

秋山春樹もその中にいた。

高校三年生の勉強は退屈で味気ないものだが、やっとリラックスできる時間が来て、バスケをするのがストレス解消の最高の方法だった。

みんながボールを奪い合っていた。

そのとき。

背の高い男子がボールを奪い、かなりクールなポーズでゴールに向かってシュートを放った。

バン!

しかし。

ボールはゴールに入らず、リングの端に当たって方向を変え、観客の方へ高速で飛んでいった。

おしゃべりをしていた生徒たちは全く反応できていなかった。

シュートを打った男子の顔が真っ青になった。