見た目がいいだけじゃない。
雰囲気までとても素晴らしい。
小林桂美が言わなければ、木下嬌子は彼女がそんな人だとは絶対に信じなかっただろう。
小林桂美は冷ややかに鼻を鳴らし、反問した。「見た目が悪かったらバスになれるわけないでしょう?」
それを聞いて、木下嬌子は頷いた。「そうね。」
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山口は個室を予約した。
小林桂代に到着したかどうかメッセージを送ろうとした時、個室のドアがノックされた。
「どうぞ。」山口はすぐに携帯を置いた。
次の瞬間、店員が小林桂代を案内して入ってきた。「山口さん、お客様がお見えになりました。」
小林桂代を見て、山口は立ち上がり、恭しく言った。「小林社長。」
小林桂代は頷いて、「座って、山口さん。今日お会いしたのは、最近の店舗の業績と北定区の後藤淑子副店長の件について話し合いたかったからです。」
北定区の二人の店長は山口が採用した人材で、後藤淑子のことを彼女ほど詳しく知っている人はいない。
山口はまず小林桂代に書類を渡した。「社長、これは私たちの4店舗の過去1ヶ月の業績報告書と顧客フィードバックです。」
小林桂代は書類を受け取り、「後で見ておきます。」
山口は続けて言った。「後藤淑子は青葉市立大学外国語学部の卒業生で、業務能力が高く、責任感のある人物です。ご指摘の件について調査確認しましたが、彼女が同級生にフェニックスを12セット提供したのは副店長の権限内でした。つまり、店舗のルールには違反していません。」
それを聞いて、小林桂代は軽く頷いた。
正店長が15セット、副店長が12セットのスキンケア製品を自由に処分できるというルールは小林綾乃が定めたもので、ずっと実行されてきた。このルールがある以上、破ることはできない。
さもないと店員たちの前で威厳を失ってしまう。
「規定の範囲内であれば彼女の責任を追及することはしませんが、今後は店のルールを改める必要がありそうです。」
「どのように改めるのですか?おっしゃってください。」山口はすぐにノートを取り出した。