100:お香を焚く_7

城井お母さんは笑って言った。「この子ったら、おばあちゃんにそんなに遠慮することないのよ」

そう言いながら、城井お母さんは台所へ行って城井沙織に梅ジュースを注ぎに行った。

小林桂美はソファに座ってマニキュアを塗っていた。

城井沙織は小林桂美の隣に座り、「お母さん、私が誰に会ったか当ててみて?」

「誰?」小林桂美は顔を上げて城井沙織を見た。

彼女は最近とても機嫌が良かった。木下嬌子にフェニックスを買ってあげてから、嬌子は父親の工場で楽な仕事を見つけたのだ。

毎日お茶を飲んで電話を取るだけで、給料は8〜9万円もあった。

そのおかげで、彼女の城井家での立場も上がっていた。

今では城井お母さんでさえ、彼女に大きな声で話すことができなくなっていた。

城井沙織は続けて言った。「小林桂代と大川素濃よ」