102:顔面崩壊、志村文礼は呆然となった_3

この言葉を聞いて、大谷仙依は大げさに目を見開いた。「彼女も...青葉高校に入学してきたの?」

大橋然斗は頷いた。

小林綾乃は青葉高校に入学しただけでなく、大谷仙依のミスコンの座まで奪ってしまった。

現在のミスコンが小林綾乃になったことを考えると、大橋然斗の心には憤りが込み上げてきた。

小林綾乃に何の資格があるというのか?

大谷仙依は笑いながら言った。「お姉さんって意外と凄いのね。私たちの青葉高校の編入試験はあんなに難しいのに、合格できたなんて!」

「彼女はカンニングして入学したんだ」大橋然斗は冷たく言った。

そうでなければ、小林綾乃如きが青葉高校の編入試験に合格できるはずがない。

「カンニング?」大谷仙依はまず目を見開き、それから首を振った。「私は彼女がそんなことをするとは思えないわ。然斗兄さん、どうしてそんな根拠のない非難をするの?前はこんな人じゃなかったのに!」

大橋然斗は大谷仙依が自分の言葉を信じないとは思ってもみなかった。

「小林綾乃は本当にカンニングしたんだ!」大橋然斗は続けて言った。「今では全ての先生がこのことを知っているんだ!」

そう言って、大橋然斗はさらに続けた。「しかも、最初にクラス分けのくじ引きをした時、城井先生が小林綾乃を引いたんだけど、城井先生は彼女がカンニングで入学したことを知って、成績に影響が出るのを恐れて、その機会を他の人に譲ったって聞いたよ!」

小林綾乃のカンニング事件は、大谷仙依の予想通りだった。

田舎の教育はとても遅れている。

小林綾乃の成績では、青葉高校の試験についていけるはずがない。

しかし大橋然斗の前では、大谷仙依は相変わらず驚いたふりをしなければならなかった。

二度目の人生を生きる大谷仙依は、男性の心をつかむ方法をより理解していた。彼女は男性に自分を追いかけさせる方法をよく知っていた。

成功した女性の背後には、必ず裕福な家庭のイエスマンが何人かいるものだ。

これは鉄則だ。

大谷仙依は大橋然斗を見つめ、声を低くして言った。「然斗兄さん、証拠のないことは言わない方がいいわ。私たちの青葉高校の編入試験はとても厳しくて、カンニングなんてできないはずよ。それに、小林綾乃さんはそんな人には見えないわ。」