103:告白_3

さりげなく眉をひそめる。

一橋景吾は彼女とよく知り合いなの?

山下言野は一橋景吾の側に直接歩み寄り、「カバンを渡すから、西北通りに行ってきて」

西北通り?

一橋景吾は一瞬固まった。

明日西北通りに行くって約束したんじゃなかったっけ?

なぜ突然今になったの?

ほんの一瞬の戸惑いの後、一橋景吾はすぐに反応し、カバンを山下言野に手渡して、「はい、すぐ行きます」

小林綾乃のカバンは少し重かった。

一橋景吾の前回の言葉を思い出し、山下言野は無意識にカバンを見下ろした。

カバンのジッパーは閉まっていて、中身は見えなかった。

だから?

カバンの中身は全部ラブレター?

今時の学生は授業に出なくていいの?

800字の作文を書くのに頭を絞るのに、1000字のラブレターなんて簡単に書けちゃうんだ。