103:告白_7

その言葉を聞いて、一橋啓子は目を丸くした。

「マジで!本当なの?」

「うん」秋山春樹は頷いて、「僕は嘘をつかないって知ってるでしょう」

一橋啓子は喉を鳴らして、また尋ねた。「小林綾乃が好きな人って誰?」

「それは言えない」

自分から言うのと、小林綾乃が自ら表現するのとは、別物だ。

言い終わって、秋山春樹は一橋啓子を見て、神秘的に言った。「いつか分かるよ」

一橋啓子は心の中で猫が引っ掻くような感覚を覚え、唾を飲み込んで、「小林美人に好かれる男子なんて、きっと普通の人じゃないわ」

秋山春樹はもう何も言わず、ただ口角が少し上がっただけだった。

二人は歩きながら話を続けた。

前方は分かれ道で、一橋啓子は何かを思い出したように続けた。「秋山春樹、明日誕生日でしょう?何がほしい?」