「彼女?彼女も今頃宿題を補完しているんじゃないかな。」
渡辺麗希はこの時、泥の観音様が川を渡るように自分の身を守るのが精一杯だった。
植田雅静は笑いながら言った:「二人とも同時に宿題が終わってないなんて、どうして?」
小林綾乃は言った:「昨日映画を見た後、夜食も食べに行って、家に帰るのが遅くなったから、今朝学校で宿題をしようと思ったの。」
元々二人は植田雅静も映画に誘っていた。
しかし植田雅静は時間がないと言って、一緒に行かなかった。
でも実際は、時間がないわけではなく、中村梅が植田雅静に土日に遊びに行くことを許さなかったのだ。
しかも植田雅静のためを思ってのことだという名目で。
彼女はもうすぐ高校三年生になるので、必要な登校以外、中村梅はほぼすべての社交活動を断ち切り、植田雅静が一日24時間自分の部屋に閉じこもって勉強することを望んでいた。