108:頭が真っ白になった

中村梅は毎日息子の世話と家事に追われて、植田雅静のことまで構っている暇なんてあるはずがない?

それに。

植田雅静はもう成人している。

母親として、服装のことまで口を出すなら、他のことは何もできなくなる。ただ雅静の尻について回るだけになってしまう。

彼女は雅静の母親であって、彼女の個人的な家政婦ではない。

これを聞いて、隣人は理解を示して頷いた。彼女の家にも雅静と同じくらいの年齢の双子の息子がいて、毎日心臓発作を起こしそうなほど腹が立つのだ。

「超のお母さん、あなたの娘は言うことを聞かないかもしれないけど、少なくとも成績はまあまあでしょう。うちの息子たちときたら、何をやってもダメ!ああ!考えるだけで頭が痛くなるわ。彼らのことを考えるだけで、頭がズキズキする。」

植田雅静は毎回の月例テストで690点前後を取っている。