115:嫉妬_3

小さな女の子たちの多くが小林綾乃目当てで並んでいるほどだった。

山下言野はようやく和らいだ表情が、列に並ぶ若い男性たちを見て、また徐々に曇っていった。彼はすでに小林綾乃にマスクをさせるべきかどうか考えていた。

これらの人々が悪い考えを持たないように。

一橋景吾は目的もなく街をぶらついていると、ちょうど志村文礼に出くわした。

志村文礼は車を停め、窓を下げて一橋景吾を見ながら、好奇心を持って尋ねた。「修理工場に行かないで、ここでぶらついてるのか?」

一橋景吾は道端の小石を蹴りながら、「兄貴と小林のために二人の時間を作ってあげてるんだよ」と言った。

小林?

二人の時間?

志村文礼は眉をしかめた。「小林綾乃のことか?」

「うん」一橋景吾はうなずき、反問した。「他に小林って呼べる人がいるか?」

それに。

小林綾乃以外に、彼が「小林」と呼ぶにふさわしい人はいなかった。

小林綾乃という名前を聞いたとき、一橋景吾は少し驚いていた。

彼は小林綾乃がまだ去っていないことに驚いた。

彼女が一週間持つとしても、一ヶ月は持たないだろうと思っていたのに…

しかし今は。

入学してから3ヶ月近くが経ち、もうすぐ冬休みだ。

「彼女はまだ去っていないのか」

これを聞いて、一橋景吾は顔を上げて志村文礼を見た。「その言葉は兄貴の前では言わない方がいいぞ」

「どういう意味だ?」

一橋景吾は続けた。「だって小林は今や兄貴のお気に入りだからさ」

お気に入りというのは間違いない。

山下言野のあの様子といったら。

さっきは彼を一発で殴り殺したいくらいだった。

山下言野のそばにいる時間が長いが、一橋景吾はこんな山下言野を見たことがなかった。

志村文礼は軽く笑った。「考えすぎだ」

リーダーは感情を断ち切った人間だ。

どうして小林綾乃を好きになるはずがあるだろうか?

一橋景吾自身が多情な性格だから、誰を見ても多情に見えるのだ。

一橋景吾は志村文礼と議論するのが面倒で、腕を組んで続けた。「どこに行くんだ?」

「西京に行く任務がある」と志村文礼は答えた。

一橋景吾はうなずいた。「じゃあ早く行けよ、時間を無駄にするな」

「ああ」

志村文礼はもう一度一橋景吾を見た。「そういえば、もう一つ聞きたいことがある」

「何だ?」一橋景吾は好奇心を持って尋ねた。