115:嫉妬_2

彼女は息子の行方についてよく知らなかった。そのようなことは白川露依に聞かなければならなかった。

「法穂国よ」と白川露依は答えた。

**

その頃。

修理工場にて。

5時ちょうど、山下言野は時間通りにフォルクスワーゲンを店の前に停めた。

一橋景吾はドアに寄りかかってタバコを吸っていたが、山下言野が来るのを見ると、すぐに姿勢を正して「兄貴」と言った。

山下言野は軽く頷き、車のドアを施錠した。

「今日は来ないかと思ってたよ!」一橋景吾は山下言野の後について店の中へ歩いていった。

山下言野は淡々とした口調で「ちょうど今日は特に用事がなくてね」と言った。

言い終わると、彼はさりげなく外を見て、作業着に着替えながら「小さいのはまだ来てないのか?」と尋ねた。

「うん」一橋景吾は頷いた。「小林ちゃんはもう二日も来てないんだ。今夜来るかどうかもわからないよ」

山下言野はもちろん小林綾乃が二日間来ていないことを知っていた。

なぜなら、この数日間、小林綾乃はとても真面目に自分に休みの連絡をしていたからだ。

しかし今夜は休みの連絡はなかった。

だから...

彼女は来るはずだ。

ちょうどその時、外から足音が聞こえてきた。

一橋景吾は目を細めて「小林ちゃんが来たのかな?」と言った。

言うや否や、彼はすぐに外へ向かった。

案の定、小林綾乃がバッグを背負ってこちらに歩いてきていた。

「小林ちゃん」一橋景吾は彼女の前に歩み寄り、自然に小林綾乃のバッグを受け取った。「久しぶり!」

かなり重い。

一橋景吾はこの中にまた多くのラブレターが詰まっているに違いないと推測した。

「久しぶり?」小林綾乃は少し眉を上げた。「おととい会ったばかりだと思うけど」

一橋景吾は笑いながら言った。「一日会わないと三秋のごとしって言うじゃない。そう考えると、私たちは九年も会ってないことになるね」

小林綾乃は彼に向かって親指を立てた。「さすが六郎さんだね」

山下言野は作業着に着替え終わって部屋から出てきたところで、一橋景吾のこの言葉を聞いた。

彼は以前、一橋景吾のおしゃべりがアヒルのようにペチャクチャと煩わしいことに気づかなかったのだろうか?

一日会わないと三秋のごとし?

彼だけが上手く話せるとでも?