116:後悔薬_3

二日目、朝食を済ませた後、多くの村民に囲まれながら、山口暁と村長は二人を連れて花園村の栽培基地を見学した。

小林桂代はそこで初めて花園村が山の中腹に位置していることに気づいた。見渡すと、緑の中に赤い色が点在し、景色は実に美しかった。

そして。

花園村は非常に良く管理されていた。代々花や薬草を栽培してきた縁もあり、目に入る花や薬材はほぼすべて最高品質で、スキンケア製品の原料として非常に適していた。

美人亭の配合はもともと極めて優れたものだった。

今、このような良質な原材料に出会えたことで、将来はさらに飛躍するに違いない。

目の前の景色を見ながら、大川素濃は笑いながら言った。「姉さん、昨日の夜、ずっと回り道していたのは、山に入っていたからなのね。」

小林桂代はうなずいた。「そうよ。」

昨夜は暗くて視界が悪く、ただ道のりが遠いと感じていただけで、まさか山の中に来ていたとは思いもしなかった。

そう言うと、小林桂代は携帯を取り出して写真を撮り、この素晴らしい景色を小林綾乃に共有し、ついでに花園村の状況についても簡単に説明した。

花園村の栽培基地を見学した後、小林桂代と大川素濃は山口暁と貨物の輸送について話し合い、花園村を離れることにした。

山口暁は小林桂代を見つめ、何か言いたげな様子だった。

小林桂代は笑いながら言った。「若いの、何か言いたいことがあれば、直接言ってくれていいのよ。」

山口暁はためらいながらも続けた。「小林社長、契約書に書かれている『いくらでも買い取る』という条項は本当なのでしょうか?」

「もちろん本当よ。」小林桂代は軽くうなずいた。

契約書に書いたからには、当然嘘はつかない。

それに、美人亭のビジネスは本当に好調だった。

毎日品不足の状態だった。

今はまだ15店舗しか開いていないが、若葉市に支店を展開した後も、売上はさらに伸び続けるだろう。

小林桂代は未来に非常に自信を持っていた。

山口暁は心の中で言葉を選びながら、「小林社長、私たちの花園村の状況はご覧の通りです。現在の総栽培面積は約85ヘクタールほどですが、もし本当にいくらでも買い取っていただけるなら、隣村と相談して栽培基地を拡大し、美人亭に必要な薬材と花を専門に提供することで、生産量を増やすことができます。」

隣村は稲作で生計を立てていた。