116:後悔薬_2

そのため。

農民は一生懸命に土と向き合い、苦労して働いても、結局はお金を稼げず、他人のために嫁入り道具を作っているようなものだ。

しかし小林桂代は「穀物安くして農を傷つける」という言葉を口にした。

これはもはや単なる言葉ではない。

格局の問題だ。

小林桂代の格局は広大で、偉大で...普通の人が一生をかけても到達できないものだ。

山口暁の心の中では、商人というのはあまり良い印象がなかった。

しかし今日。

小林桂代は実際の行動で彼の商人に対する印象を変えた。

なるほど。

すべての商人が吸血鬼というわけではないのだ。

同時に、彼は小林桂代の娘にも強い好奇心を抱いた。

山口暁は小林桂代を見て、心の中で言葉を選びながら、「失礼ですが、お嬢さんは今年おいくつですか?」と尋ねた。

彼は小林桂代の娘が自分より年上だと確信していた。

「十八よ」小林綾乃のことを話すと、小林桂代の顔には誇らしげな表情が浮かび、少しも隠そうとせずに笑いながら言った。「彼女は今、高校三年生なの」

十八?

高校三年生?

この言葉を聞いて、山口暁は自分が幻聴を聞いているのではないかと思った。

彼はほとんど信じられなかった。

「穀物安くして農を傷つける」という言葉が、自分よりも若い女の子から出たなんて...

この感覚はとても奇妙だった。

小林桂代はとても若く見えたが、それは彼女が自分をよく手入れしているからで、娘は少なくとも二十五歳以上だろうと思っていた。

なぜなら、豊かな人生経験がなければ「穀物安くして農を傷つける」などという言葉は出てこないからだ。

まさか...

小林桂代の娘はまだ十八歳。

高校三年生の女の子だった。

しばらくして、山口暁はようやくこの事実を消化し、続けて言った。「小林社長、お嬢さんは本当にすごいですね。将来は必ず並の人物ではなく、大きな成功を収めるでしょう!ぜひ大切に育ててください!」

小林桂代はうなずいて、「うちの娘はとても分別があって、ほとんど心配をかけることがないのよ」と言った。

これを聞いて、山口暁はこのような素晴らしい女性に一度会ってみたいと本当に思った。

村長は笑いながら言った。「私の娘も今年十八ですが、今でも自分の服さえ洗えず、私と妻を心配させてばかりです」

まさに人と人を比べると死にたくなるものだ。