121:学校記念日_6

「うん。」渡辺麗希は頷いて、尋ねた。「お父さん行きますか?」

渡辺お父さんは行きたかったが、明日は重要な会議があるため、残念そうに言った。「明日は時間がないから、お母さんに行ってもらおう。」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、パックをつけた山本世月が横から入ってきた。「この美人亭の新しい保湿美白パックは本当に良いわね!麗希、同級生にお礼を言っておいてね、一度にこんなにたくさんのスキンケア製品を持ってきてくれて。」

渡辺お父さんが問題解決を手伝ってくれたことへの感謝として、小林桂代は小林綾乃に渡辺麗希へ二箱もの化粧品を持たせた。

何でもあった。

限定版の会員向け製品まで何セットもあった。

渡辺麗希は頷いて、「わかった、お母さん、明日の学校の創立記念日に行きますか?」

「あなた出し物あるの?」山本世月は尋ねた。

渡辺麗希は首を振った。

山本世月は目を回して、「じゃあ行かないわ。」

彼女は人混みが大嫌いだった。

渡辺麗希は続けた。「でも綾乃は出し物があるよ。」

「本当?」山本世月は瞬時に興味を示した。「明日何時から始まるの?」

突然、人混みもそれほど嫌いではないと思えてきた。

渡辺麗希は言った。「午前10時からで、保護者は8時から10時までに入校できるけど、10時を過ぎると校内に入れなくなるよ。」

そう言って、渡辺麗希はポケットから入場券を取り出し、山本世月に渡した。

山本世月は入場券を受け取り、「わかったわ、ママは明日必ず時間通りに行くわね。」

「うん。」渡辺麗希は頷いた。

あっという間に翌日になった。

今日は創立記念日で、舞台で演奏する生徒以外は皆制服を着ていた。

10組はとても賑やかだった。

みんなはクラス費で小林綾乃のピアノ演奏用の服を買った。

クラス委員長が服を小林綾乃に渡し、「小林美人、後で舞台に上がる時に着替えてね。」

「はい。」

「小林美人、メイクする?」横にいた別の女子生徒が言った。「わざわざ母のメイク道具を持ってきたんだけど。」

クラス委員長は小林綾乃を見て、真剣に言った。「小林美人はメイクしない方が綺麗だと思う。」

小林綾乃の美しさは天然のものだった。

何の修飾も必要としなかった。

他の人も皆頷いた。