第25章 再び羽田和彦と出会う

食事がほぼ終わりかけた頃、ついに面白い出来事が始まった。

杉本瑠璃は入り口に人影が現れるのを見て、眉を上げた。

「悠斗くん、この畜生!ついに捕まえたわよ。覚悟しなさい!」

松本桂子がついに現れた。

先ほど杉本瑠璃がみどりちゃんを見た時、少し長く見つめていたら、みどりちゃんの考えていることが分かった。

このみどりちゃんも普通の女ではないようだ。とても賢く、こっそりと松本桂子に杉本悠斗が外で浮気をしていることを知らせ、場所まで教えていたのだ。

案の定、松本桂子は激怒して、すぐにやって来た。

そして、このみどりちゃんの目的は、正妻の座に就くことだった。

杉本悠斗は彼女に多くの約束をしていたが、みどりちゃんは影で生きることを望んでいなかった。この時代、彼女のような立場は非常に微妙だったからだ。

みどりちゃんは杉本悠斗に何度も催促したが、彼はいつも先延ばしにしていた。そこで彼女は今日、この芝居を仕組んだのだ。杉本悠斗と妻の松本桂子に真実を明かすためだった。

みどりちゃんは既に調べていた。松本桂子は年を取っていて、自分ほど美しくなく、杉本悠斗に娘一人しか産んでおらず、能力もない。すべての面で自分に及ばない。真実が明かされれば、勝算は十分にあった。

なぜなら...彼女は妊娠していたからだ。

杉本悠斗は驚いて床に転んでしまい、彼に向かって飛びかかってくる松本桂子を慌てて見つめながら、「な...なぜここに?」

松本桂子は手を上げて杉本悠斗の頬を平手打ちした。「なぜって?来なければ、あなたがこの売女とまだ関係を持っているなんて知らなかったわ。よくもやったわね杉本悠斗、外で女遊びとは。殺してやる!」

松本桂子は狂ったように、両手で杉本悠斗の体や顔を叩き始めた。レストランは騒然となり、杉本悠斗が逃げ回り、松本桂子が追いかけ回す。

「女を作るなんて、女を作るなんて、殺してやる。」

松本桂子は杉本悠斗を追いかけながら罵り続け、非常に見苦しい様子だった。

このレストランで食事をしている客は皆、身分のある人々で、この騒動を見て眉をひそめ、非常に不快そうだった。

ホテルのマネージャーも知らせを受けて駆けつけたが、松本桂子は完全な暴れ女で、仲裁に入ったマネージャーまで殴ってしまった。

これで更に騒ぎは大きくなった。