月初めに、杉本瑠璃が転校し、正式に紅葉学園で勉強する日が来た。
紅葉学園に入学後は寮生活が必要となり、杉本律人と田中美奈は娘との別れを惜しんだものの、紅葉学園で学べることは貴重な機会であり、二人もそれほど悲しまなかった。
どうせ娘はY市で学んでいるので、会いたい時は簡単に会える。
紅葉学園の規則では、登校は生徒自身で行かなければならず、保護者の付き添いは禁止されている。皆はこの規則をよく守っている。なぜなら、保護者が付き添った生徒は、第一次選考で既に落とされているからだ。
資格を取り消されたくなければ、学校の規則に従って登校しなければならない。
新しい環境は、杉本瑠璃にとって新たな始まりだった。
前世では高校一年生で学生生活が終わってしまったが、この人生では他の生徒と同じように過ごせる。その感覚は、とても良いものだった。