第101章 顔が殴られやすい

「弟子になるのは無理だけど、護身術くらいなら教えてあげられるわ。一対一で戦うときに怪我しないように」

杉本瑠璃は北澤亮太を指さすと、北澤は即座に言った。「確かに怪我はしたけど、鈴木てんいちのやつも得はしなかったぞ。何発も蹴りを入れてやったからな」

斎藤きくこと桐生誠一は、経済学部の上級生が本当に新入生に手を出すとは思っていなかった。彼らも早く杉本瑠璃から技を学ばないと、ボコボコにされてしまいそうだった。

その時、杉本瑠璃以外の三人が、まるで示し合わせたかのように同時にため息をついた。

紅葉学園の学生は、本当に異常だ!

四人が休憩しながら食事をしていると、安藤颯の姿が見えた。相変わらず数人の女子学生に囲まれており、全員新入生で、一様に元気のない様子だった。おそらく彼女たちも苦しめられたのだろう。