第100章 変態の集まり

コホン、コホン!

鈴木てんいちは軽く咳をして、「兄弟、そんなことを言うなよ。特に高橋智樹の前では」と言った。

高橋智樹は杉本瑠璃に一撃で吹き飛ばされ、今も保健室にいる。もし高橋智樹が風間海斗のその言葉を聞いたら、大変なことになるぞ!

風間海斗は鈴木てんいちをしばらく見つめた後、力なく「お前もまだ良心があるんだな」と言った。

「これは良心の問題じゃない。原則の問題だ」

そう言いながら、鈴木てんいちは声を落として、風間海斗に小声で「高橋智樹でさえ一撃で倒されたんだ。俺は追いかける勇気なんてない。命が惜しいからな」と言った。

風間海斗は鈴木てんいちが何か重要なことを言うと思っていたが、結局それだけだった。白目を向けて、もう相手にしなかった。

傍らで本をめくっていた杉本瑠璃は、ふわりと「まだ少しは分別があるようね」と言った。

げっ!

また聞かれてしまった。

鈴木てんいちは苦笑いを浮かべ、何も聞こえなかったふりをした。

帝国ホテルで、朝日執事が報告していた。「若様、紅葉学園から電話がありまして、今年の年越しイベントにご参加されますかと」

通常、このようなイベントに三島悠羽は参加しないのだが、朝日執事はそれでも報告する必要があった。

「志藤校長に伝えてくれ。出席すると」

朝日執事は少し驚いて、「本当にご出席されるのですか?」

「ふふ、面白そうだからね」三島悠羽は淡く笑い、目に光が宿った。

午前中、杉本瑠璃は本の海で過ごした。本を読めば読むほど、自分の知識の少なさを実感した。

以前は単なるビジネスへの漠然とした考えだけだったが、本を読んでみると、その考えを実現するには、アイデアと資金だけでは足りず、頭脳と能力がより重要だと分かった。

経済学部を選んだのは、非常に賢明な選択だったと言える。

ついに昼時になり、昼食の時間には桐生誠一と斎藤きくこも杉本瑠璃と一緒で、杉本瑠璃の隣には北澤亮太もいた。

四人とも新入生だったせいか、すぐに打ち解けた。

「きくちゃん、本当に何も食べないの?」

杉本瑠璃は元気のない様子で目の前の料理を見つめ、一口も食べていない斎藤きくこを見た。

斎藤きくこは手を振って、力なく首を振り、片手で顎を支えながら、食欲がない様子で「食べられないわ。今は吐き気しかしない……」