「彼女がそんなに確信を持っているのは、私の専属医師だからだ」
全員が杉本瑠璃の答えを待っている時、いつの間にかステージ上に一人の人物が現れていた。
車椅子に座っていたものの、その類まれな容姿と気品のある佇まいは、瞬時に皆の視線を引き付けた。
余計な言葉は一切なく、立つことはできなくても、少しも品格を失わなかった。
観衆は動揺を隠せなかった。それは三島悠羽が一人の少女のために声を上げたからだけでなく、彼の言葉の内容にも驚いたからだった。
杉本瑠璃が三島悠羽の専属医師だなんて、そんなことがあり得るはずがない。
杉本瑠璃はまだ若すぎる。おそらく医師免許すら持っていないだろうに、三島悠羽の専属医師だというのは、少し話が大げさすぎるのではないか。
もしかして……
この杉本瑠璃と三島悠羽の間に何か密接な関係があるのだろうか。しかし、どう見てもそうは思えない。