「宿泊と食事は三島様が提供してくれるのだから、私も気持ちとして、無料で薬を提供しましょう。鈴木ゆうすけの体にあるものより効果があることは間違いありません」
杉本瑠璃は軽く言ったが、誰もが知っていた。杉本瑠璃は決して口だけではなく、本当にそうするだろうということを。
くそっ!
腹黒い、これは本当に腹黒い。
以前は三島様が十分腹黒いと思っていたが、今になってわかった。この新入生の杉本瑠璃も腹黒い奴だということを。
見てよ、杉本瑠璃の話し方がなんて芸術的なんだろう。目には目を、とはこういうことを「遠回し」に言うんだ!
杉本瑠璃は言い終わると、ステージに長居することなく、三島悠羽の車椅子を押して降りた。降りてから、杉本瑠璃は三島悠羽に心から言った。「今日は、ありがとう」