第120章 許せない

彼らは舞台裏にいても、舞台前で起こることすべてを常に注視しており、何が起きたのかを当然知っていた。

以前は多くの人が、杉本瑠璃のせいで、新入生全員が罰を受けることを心配していたが、医学部のあの神秘的な大物が、杉本瑠璃を助けに出てくるとは誰も予想していなかった。

桐生誠一側の演劇討論スキットをする新入生たちは、杉本瑠璃とこの期間良好な関係を築いていたので、杉本瑠璃が戻ってきたのを見て、皆心から拍手を送り、杉本瑠璃のために喜んだ。

一方、安藤颯と彼の周りを取り巻く芸術学部の女子たちは、警戒するように杉本瑠璃を見ていた。実際、杉本瑠璃とそれらの女子たちの間には衝突はなかったが、安藤颯のせいで、彼女たちは自然と杉本瑠璃を快く思っていなかった。

杉本瑠璃は桐生誠一たちの友人に笑顔で頷き、非常に優しい様子を見せたが、安藤颯の方を向いた時、その雰囲気は一変した。