第121章 不治の病?

「その通りだ。証言できる。安藤颯、お前は厚かましすぎる。杉本瑠璃はとっくにお前のことが嫌いだと言っているのに、お前は彼女に嫌がらせばかりしている。そんな小心者は男らしくない。お前みたいな奴がいるから、男として恥ずかしい!」

桐生誠一が先に戻ってきたのだ。彼と北澤亮太は鈴木ゆうすけを病院に送った後、杉本瑠璃の状況を心配して、北澤亮太を病院に残し、自分が先に戻ってきたのだった。

案の定、戻ってきたら安藤颯が杉本瑠璃を中傷しているのを聞いた。桐生誠一が安藤颯に情けをかけるはずもなく、すぐさま杉本瑠璃を擁護した。

杉本瑠璃は桐生誠一が戻ってきたのを見て、一時的に安藤颯のことは無視して、桐生誠一に尋ねた。「鈴木ゆうすけの方はどう?」

桐生誠一は安藤颯を睨みつけた後、答えた。「確かに薬を盛られていた。医者の話では、かなりの量だったらしい。早めに連れて行けて良かった。そうでなければ、どうなっていたか分からない。今は北澤亮太が看病していて、学校の先生と鈴木ゆうすけの家族にも連絡済みだ。」

杉本瑠璃は頷いた。鈴木ゆうすけが無事なら良かった。そうでなければ本当に申し訳が立たない。安藤颯は主に彼女を狙っていたのだから、鈴木ゆうすけは彼女に巻き込まれたようなものだった。

安藤颯は桐生誠一が自分と杉本瑠璃の対峙を邪魔したことに、そして桐生誠一の言葉が自分に不利なことに非常に不満だった。すぐに怒りを爆発させた。「桐生誠一、俺を中傷するな。お前が俺を妬んでいるのは分かってる。もう細かいことは気にしないつもりだったのに、お前が度を越えるな!」

杉本瑠璃は眉をひそめ、もはや安藤颯のような人間と話を続ける気はなく、冷たく言い放った。「黙れ!安藤颯、言っておくが、今日は鈴木ゆうすけの状態がどうであれ、お前が薬を盛った件は必ず追及する。ここで自分の潔白を主張するより、薬を盛った時の状況が本当に完璧だったのか考えた方がいいわ!」

何?

安藤颯が鈴木ゆうすけに薬を盛った?

そんなはずがない!

「ありえない、杉本瑠璃、あなた度を越えてる。どうして安藤颯を中傷するの?安藤颯はそんな人じゃない。鈴木ゆうすけに薬を盛るなんてことしないわ。」

「そうよ、杉本瑠璃、そんなことは軽々しく言えないわ。安藤颯が鈴木ゆうすけに薬を盛ったって証拠でもあるの?」