杉本瑠璃は咳払いをしてから、ゆっくりと話し始めた。「大きな問題はありませんが、少し気になることがあります。」
鈴木てんいちは一瞬驚いた。彼は冗談で杉本瑠璃に診てもらおうと言っただけで、まさか本当に診察されるとは思っていなかったし、さらに本当に体に問題があるとは思ってもみなかった。
「どんな問題?」
風間海斗と高橋智樹も振り向いて見た。どう言っても鈴木てんいちは彼らの親友だから、体に問題があると聞いて、当然気になるはずだ。
杉本瑠璃は眉を少し上げ、目に戯れの色を浮かべた。「本当に言って欲しい?」
鈴木てんいちは遠慮なく大きく目を回した。「言えよ!」
杉本瑠璃は鈴木てんいちを一瞥し、それから心配そうな表情の風間海斗と高橋智樹を見た後、最終的に非常に婉曲的にペンを取り、紙に一行書いて鈴木てんいちに渡し、再び全ての注意を本に戻した。
鈴木てんいちは元々好奇心旺盛で、杉本瑠璃の神秘的な様子を見て、何を書いたのか非常に気になり、紙を受け取るとすぐに開いて見た。
オナニーは適度に楽しむもの、やりすぎは体に悪い、強制すれば灰燼に帰す。
鈴木てんいちは紙をしばらく見つめ、最初は呆然としたが、すぐに反応し、完全に動揺してしまった。
顔が最初は赤くなり、それからすぐに真っ白になり、その後緑になり、最後にまた真っ赤になった。表情も複雑で、恥ずかしさ、怒り、羞恥心が入り混じり、全く落ち着かない様子だった。
鈴木てんいちの表情を見て、風間海斗と高橋智樹はさらに好奇心をそそられた。一体あの紙に何が書いてあるのか、鈴木てんいちがあんな奇妙な表情を見せるなんて。
風間海斗が紙を奪おうとした時、鈴木てんいちは急いで紙を手の中で丸め、直接口に入れて飲み込んでしまった。
風間海斗と高橋智樹は呆然と見ていた。まるで驚きのあまり固まったような感じで、一体あの紙に何が書いてあったのか、鈴木てんいちがこれほど慌てふためくなんて。
「杉本瑠璃、何を書いたんだ?鈴木てんいちの体は一体どんな問題があるんだ?」
高橋智樹は杉本瑠璃に一撃を食らって保健室送りになって以来、杉本瑠璃を恨むどころか、むしろ尊敬するようになり、杉本瑠璃と話す時も以前とは違っていた。おそらくこれが切磋琢磨というものか、あるいは杉本瑠璃に完全に打ちのめされたということかもしれない。